普段何気なく手にしているワインのボトルですが、実は様々な形や色があるのをご存知ですか?ワインのボトルは産地や中身によって様々です。そこでここでは、ワインのボトルの形状の違いやその意味などを詳しくご紹介します。聞けば納得、ボトルを見るだけで中身が想像できるようになれるかも!?

ワインのボトルの形の意味

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ワインには様々な形のボトルが存在します。ではなぜこのようにたくさんのボトルの形があるのでしょうか?それにはひとつづつ大切な理由があることをここではご紹介いたします。

中身のワインによってボトルが違います

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まず大切なのが「中のワインによってボトルを変える」ということです。一番簡単な例でいうと、高級なワインにはボトルもずっしりと重いしっかりしたものが使われていることがほとんどです。反対に安価なワインの場合は薄っぺらいガラスのボトルが使われていることも多く見受けられます。

産地によってボトルが違います

次に重要なのは産地です。
ワインの新興国よりもヨーロッパ諸国のような歴史の古い地域によく見られる傾向があるのですが、ワインの産地によってボトルの形状を変えているということが多くあります。ですから、ボトルを見るだけで大体の産地が予想できるということもあります。

ボトルカラーも豊富なのはなぜ?

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ワインボトルのカラーも実はいろいろあるのをご存知でしたか?
代表的なのは緑。緑は赤ワインの補色に当たる色で、光による劣化を防ぐために長期熟成型のワインに用いられることが多いです。ボルドー、ブルゴーニュなどの熟成型のワインにはほとんどこの色のボトルが使われています。

また、透明なボトルは美しい色合いのロゼワインや熟成の必要のないボジョレーヌーヴォー、リサイクルしやすいのでオーストラリアやチリ、ニュージーランドの白ワインにも好んで使われるようです。

代表的なワインボトルの形

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では具体的に代表的な形状のワインボトルをご紹介します。それぞれにしっかり意味があり、ワインの歴史の深さを感じられると思います。

ボルドー型

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フランスのボルドーに代表される側面が直線で肩が高く張った形状のボトルのことです。これは、ワインに含まれるタンニン分が多く、澱が出るので、提供時に澱を止めるためと言われています。
また底の部分は大きくくぼんだものが多く、一般的にはこのくぼみが大きいほど高級なワイン(高品質なワイン)と言われています。

ブルゴーニュ型

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フランスのブルゴーニュやローヌ地方に代表される背が高くなで肩のボトルです。これはボルドーワインに比して沈殿物が少ない事に由来しています。
また、ブルゴーニュでは地下室にワインを貯蔵していたため、狭い貯蔵庫内に効率的にワインを詰め込む必要があったともいわれています。

アルザス型

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縦長のスリムな形状のボトルです。ドイツのモーゼル地方、フランスのアルザス地方で用いられています。肩がなだらかで細長く。底の部分の盛り上がりもごく小さいか無いものが多いです。このボトルに関してはなぜこの形状になったのかはわかっていませんが、主に冷涼地のワインに多くみられる形状です。

ユニークな形のボトルたち

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ではもう少し踏み込んで、個性的な形状のボトルを見ていきましょう。見たことのないボトルの形もあるかもしれませんね。

藁で包まれたボトル

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フィアスコと呼ばれるイタリアのキャンティ地区で使われているボトルの形です。口が細く胴体が丸みを帯びたフラスコのような形。そして最大の特徴はこのボトルには伝統的に藁が巻かれていることです。これは瓶がぶつかる衝撃を防ぐためで、昔は農閑期の女性の仕事だったそうです。

このボトルの歴史は古く、500年以上も愛されてきましたが、最近では輸送の面や販売、イメージ一新などでほとんど使われなくなってしまいました。伝統がなくなっていくことは寂しいことでもありますね。

扁平型のボトル

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ボックスボイテルという扁平型のワインボトル。
主にドイツ・フランケン地方の高級ワインに使われています。伝統は古く、フランケンの良質なワインの象徴のようなボトルです。
ボックスボイテルという名前の由来は「ベネディクト派の修道僧が祈祷書を入れるために服につけていた袋」などと言われているそうです。

ずんぐりなボトル

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クラヴラン、と呼ばれる珍しいボトルです。
フランス東部ジュラで使われるボトル。形状はずんぐりしており、容量が 620ml と少し小さいのが特徴です。このボトルに入っているワインもかなり個性的で、シェリーのような香りがする独特のワインです。生産量・流通量共に少なく、現在ではかなり高級品となっています。

終わりに

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いかがでしたか?
ワインはボトルにも様々なストーリーがあり、とても興味深いものです。
ワインショップなどで見かけるボトルにも様々な形があるので、ボトルを見ながら中身を想像してみるのも面白いですね。