体への負担を少なく、効率よく走るためには、自分の筋力や体の特質に合ったランニングフォームが大事になってきます。フォームの見直しは、体全体の動きを総合的に見ていくのが良いのですが、一気に全部を見直していくのは難しいので、まずは着地にポイントをしぼって考えていきましょう!

かかと着地

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初心者や中高年に多い着地です。ウォーキングからランニングに移行してきた方にもよく見られます。前に振り出した脚が、体より前にある時にかかとから着地をして、しっかり体重をかけて踏み込みます。体が前に移動した時に蹴り出して前に進む方法です。走っている人にとって安定感があります。

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体がぶれないという長所がありますが、脚の筋肉への負担が大きくなります。かかとが進行方向に逆らう形で着地したときに、体重をかけて踏み込むので、前へ進む動作にブレーキをかけているようになるからです。

つま先着地(フォアフット)

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世界で活躍する、アフリカ出身のランナーに多く見られる着地で、足の前側で着地します。着地の瞬間は外側から接地し、つま先全体で地面をとらえる走り方です。接地時間がとても短く、効率的な脚運びができます。アフリカ出身のランナーにとって、着地の衝撃が少なく筋肉への負担も軽減できるため、楽に速く走れます。

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つま先での着地は、骨盤が前傾しアキレス腱が発達しているなど、アフリカ人ランナーの体格特性に合った走り方です。幼い頃に裸足で不整地を長く走る習慣があったからだとも言われてます。日本人ランナーでの成功例は少なく、骨格や腱の発達の状態がつま先着地走法に合わないのではないかと考えられています。

フラット着地・ミッドフット着地

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着地の瞬間はかかとが接地しますが、体のほぼ真下に脚がきた時に足裏全体または足の前面に重心が乗り、地面をとらえます。着地の瞬間に、かかと着地よりもブレーキがかかりません。重心の移動がスムーズにできるようになると、太腿やふくらはぎにかかる負担が減るため、長い距離を効率よく走れるようになります。

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日本人の骨格に合っているのではないかと言われる着地で、多くのランナーがこの着地で走っています。地面を蹴るよりも重心の移動で前へ進むため、太腿やふくらはぎへの負担が軽減されます。身体へのダメージが減るため、長い距離を走るのに適しています。

自分の着地を見直そう

走っているときの音を聞く

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ランニング中はどんな足音がしますか?シューズを引きずる音がする場合は、実際に引きずっているか、かかと着地の瞬間に重心がのりすぎて、ストップをかけています。また、大きすぎる足音は、ジャンプするような上下動の激しいフォームになっており、着地の際に足首や膝、股関節に大きな負担をかけている場合があります。

シューズの裏を見る

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減っている個所を確認しましょう。走り方の癖、着地の癖がとても良く表れるのが、シューズの底です。例えばシューズの外側が削れていると、着地の際に力が外へ逃げて行ってしまい、前への推進力を分散しており、効率よく進めていないことになります。靴底を確認することで、フォームの修正や故障の防止に役立ちます。

動画を撮ってもらう

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外では、少し離れて真横・正面・後ろからの映像を撮影しましょう。走り始めてすぐではなく、ある程度走っているときの状態を撮りましょう。横からの映像では着地のどの瞬間に重心がのっているか確認ができます。前後からの映像は、着地の際に足が進行方向に向いているか確認できます。体全体の使い方も見直せます。

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トレッドミルでも、真横・正面・後ろから撮影しましょう。外での撮影よりも手軽にできます。また、足をズームで撮影すると着地の様子がより分かりやすく分析できます。トレッドミルとトラックやロードでの走り方が若干異なる人は、外での撮影のデータをより重視すると良いでしょう。

膝の向きと着地の関係

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かかとの接地が外側からの人の多くは膝が外へ向き、力が外側へ逃げています。膝の皿や膝のサイドの筋や腱を痛めてしまう可能性があります。内側から接地する人は、膝が内へ向き、同じように膝周りに故障が発生したり、太腿のハリ感が強くなったりします。着地も膝も進行方向を向くようにしましょう。

まとめ

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一回一回の着地のダメージはそれほどではなくても、長い距離を走るうちに大きなダメージになってしまいます。着地を見直しは、膝の向きや脚の振り出し方、上半身との連動など、フォーム修正の手掛かりになります。故障のリスクを減らして、効率よく楽しく走れるようにしていきたいですね。