単焦点レンズを試したい人に向けて何故多くの人が単焦点レンズを使うのかを解説。
持っておくべき小さくて軽い広角レンズや、望遠レンズなどの特徴と使い方を紹介します。単純に綺麗に写すだけでなく、用途によって使い分けて撮影技術を学びましょう。

単焦点レンズの魅力

単焦点レンズはF値が明るく設計できる利点があり、小さくて軽いレンズが多く発売されています。
一般的なズームレンズの解放F値が3前後なのに対し、単焦点レンズはF値が1.2や1.8となることでボケ味の美しい撮影が可能です。

ミラーレス一眼などのフルサイズセンサーでないものを使う場合、焦点距離が1.5〜2倍程度になる事に注意してください。

50mmレンズ

もっとも代表的なレンズが50mm、通称「標準レンズ」と呼ばれています。人間の見た視界の大きさをそのまま切り取ると言われており、それが標準レンズと呼ばれる由来です。
50mmはそれほど広角でも望遠でもないため、自然な画角で被写体の特徴的な部分にフォーカスして撮影します。

ピントをコントロールすると主役が強調され、自然な画角で撮影できます。

ズームレンズとの違いはボケ味のコントロールです。
F値を開放にすると美しいボケを楽しめます。
実は普段私たちが特定の物を注目して見る際、見ている物以外にはピントが合っていません。
自分の視界と同じように、見たままを自然な大きさで共有できるのが50mmレンズの特徴です。

強調したい部分にはピントが合っています。
また、必要のない背景をボカすと被写体が浮きあがります。

F値が小さいということは被写体にピントが合う範囲の「被写界深度」を浅くできる利点があります。
50mmレンズの場合はボケ味を楽しみつつ、適度な背景描写も残すことができます。
さらに被写体に近づくことでクローズアップ効果を狙った撮影が可能です。

35mmレンズ

歩きながらスナップをする際に相性が良い35mmレンズ。
広角でありながら必要以上に広くなく、小さくて軽く持ち歩きにも最適です。
画像の歪みも少なく広い範囲を撮影でき、夜間の光量が少ない状況下でも威力を発揮します。

夜景スナップにも威力を発揮します。ノーファインダー撮影のような使い方も可能です。

レンズは広角であるほどブレが見えにくくなります。
広い視野で風景を眺めた時のような、周りの情報を多く取り入れる事が可能です。
28mmレンズよりも少しだけ画角が狭く、四隅が歪みにくいのでたくさんの情報を正確に伝えたい場合に効果を発揮します。

28mmレンズ

風景撮影用に1本持っておきたい広角レンズ。
山などの自然や移動範囲が限定される施設内など、広い空間を押さえたい時に活躍します。
単焦点28mmの場合は開放値F1.8程度となるので、自然なボケ味が楽しめるのもポイントです。

 

広い範囲の撮影をカバー。一度にたくさんの情報を記録することが出来ます。

画角が広く、広い場所の撮影で活躍するレンズです。
画質も良くF値も明るいので、屋内や施設内の薄暗い場面でも美しい写真を狙えます。
レンズも小さく軽いのでスナップ撮影やパンフォーカスで町並を記録するのにも良いでしょう。

90mmマクロレンズ

90mmマクロレンズは普通の90mm望遠レンズとしても使え、さらにマクロ撮影もできる優れものです。
植物のクローズアップや小さなアクセサリーを記録する為の商品撮影にも利用されています。。
F値の明るいレンズはシャッター速度を速くできるので、小さな昆虫が飛び立つ瞬間を記録することも可能です。

被写界深度が非常に浅くなり、小さな物体を大きく見せることも可能です。

標準レンズや望遠ズームレンズでは撮影しにくい小さな被写体を撮影してみましょう。
花や昆虫などの小さな被写体を美しく撮影でき、大きなボケ味を生かした絵作りが楽しめます。
画面全体を花の色に染めたり、花弁を強調して全体を鮮やかなピンクにぼかすテクニックがおすすめです。

150mmレンズ

キットレンズでは200mmから300mm程度の望遠レンズがありますがF値5.6や6.3になることも多いです。
解放値がここまで大きくなってしまうとシャッター速度を速くするのが難しくなります。
単焦点なら望遠レンズでもF値を明るくできるので夕方の暗い条件下でも対応可能です。
無理にISO感度を高めてノイズが入ることも防げるので、風景写真にも使えます。

望遠レンズ特有の圧縮効果が期待できます。ボケ味を生かした撮影が可能です。

光量も少ない悪条件下で動きのある被写体を撮影するのは難易度が高く技術が必要です。
大口径でF値2.8があればISO感度を低くしたまま画質を落とさずに撮影が可能。
さらにズームレンズと比べて設計に無理が無い為、ボケ味もやわらかく質の良い写真になります。

パンケーキレンズ

とても軽く重さをほとんど感じないので、旅行や散歩をしながらの撮影に最適です。
小型のミラーレス一眼にセットする場合が多く、一眼レフカメラの50mmレンズと同じ感覚で入門レンズとしても人気があります。
とにかく小さく軽いレンズが欲しい場合にオススメです。

http://camera.itmedia.co.jp/dc/articles/1309/27/news023.html

目の前の被写体との距離が近くなるので、「撮られている」感じが少なくなります。

レンズ自体が薄く場所を取らないので、狭い場所の撮影にも威力を発揮します。
大きなレンズとは違い威圧感も無いのでお子様を撮影する時やペット撮影にも良いでしょう。
F値も小さく設計されているのでボケ味も美しく、スナップ撮影にも向いています。

まとめ

単焦点の魅力は美しいボケ味とF値の明るさです。
ズームレンズとは違いレンズ自体が小型軽量に設計されています。
画角を決める為にはカメラマンが移動しなければならない点は技術が求められますが、それ以上に撮影された画像の美しさが魅力的です。
レンズによって記録される画像が変わるので、いろんなレンズを試してみてください。