かの有名な小説家スティーブン・キング原作の「シャイニング」を、映画業界ではすでに巨匠であったスタンリー・キューブリックが映画化を行いました。この映画は当時、賞レースなどに絡むことはありませんでしたが、絶えず多くの新しいフォロワーを生み出し、今ではホラー映画の金字塔となっています。
はじめに
1980年にスタンリー・キューブリックはスティーブン・キング原作の「シャイニング」の映像化を行いました。20年以上も前に制作されたにも関わらず、現在でもホラー映画の金字塔として、キューブリックの天才的な映像美と狂気が存分に堪能できる作品となっていますが、制作から完成に至るまでには多くの物語が隠されています。
そこで、この記事では、映画「シャイニング」の知られざる裏側7選をご紹介していきます。
原作改変
https://simonsayswatchthis.wordpress.com/tag/insidious/
人気のホラー小説家であったスティーブン・キング原作の「シャイニング」ですが、キューブリックの映画とは、内容や描写が大きくかけ離れています。この原作改変を巡って、原作者であるスティーブン・キングはキューブリックを激しく批判し対立していました。
超現実主義者でもあるキューブリックは、物語のオカルトな要素はほとんど排除し、生身の人間の恐ろしさを描こうとしているようにも感じます。
ステディカムを世界で初めて本格的に撮影に導入
http://www.tested.com/art/movies/457145-shining-and-steadicam/
「シャイニング」という予知能力を持つ息子のダニーは、そのホテルに違和感を覚え、廊下を三輪車で徘徊します。この低位置でカメラがずっと追いかけるシーンでは、カメラを固定し撮影できる『ステディカム』が、世界で初めて本格的に導入され撮影されたと言われています。
異常なまでのテイク数
http://www.taringa.net/posts/info/6235948/Curiosidades-de-The-Shining-Stanley-Kubrick.html
完璧主義者として知られるキューブリックは、納得するまで同じ場面を何度も繰り返し撮り直す偏執狂的な撮影で有名ですが、ヒロインであるウェンディ(シェリー・デュヴァル)が追いつめられるシーンでは50以上ものテイクを撮り直し、緊張状態のシェリーが台本にないが、思わず口走った「頭が混乱して・・」というセリフが採用されたという有名な逸話が残っています。
キューブリックとウェンディ役シェリーの不仲
http://cinearchive.org/post/86356603065/this-appears-to-be-a-still-of-actor-jack-nicholson
撮影中もキューブリックとシェリーはとても仲が悪く、場の雰囲気を和ませるためにジャック・ニコルソンが明るく振舞っている様子がメイキング映像にも収められています。
怖ろしい顔の映画ジャケット
http://mentalfloss.com/article/32272/5-films-didnt-deserve-their-razzie-awards
この映画のジャケットの怖ろしい顔をしたジャック・ニコルソンを2秒間撮るために、キューブリックは190テイク以上も繰り返し、2週間かけてやっと完成したと言われています。
ここまでの徹底したこだわりを常に続ける姿勢が、キューブリック作品を完璧な映画とし、色褪せずに語られ続ける要因かも知れません。
エンターテインメントとしての側面
キューブリックは「シャイニング」の一つ前に「バリー・リンドン」を撮影し公開しています。しかし興行収入的にはお世辞にも成功したとは言えず、その失敗の穴埋めをするために、当時人気うなぎ昇りのジャック・ニコルソン、また人気ホラー作家スティーブン・キングの原作を用いて、極上のエンターテインメント映画を作ろうとしたと言われています。
「シャイニング」3つのバージョン
http://athenacinema.com/kubrick-retrospective-the-shining-playing-march-10-11/
シャイニングには、3つのバージョンがあることが知られています。一つはプレミア試写会のためのフィルム。そして、現在でも観られるのは、長尺の143分版とイギリス公開用の119分版で、日本で公開されたもの、購入できるものもこの短いバージョンでした。
ストーリーは軽快になりますが、短くするためにカットされた場面もあり、興味のある方は観比べてみても良いかもしれません。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、ホラー映画の金字塔!「シャイニング」の知られざる裏側7選として、キューブリック制作のホラー映画「シャイニング」にまつわるお話をご紹介しました。
この有名な映画の裏側は、メイキング映像などでも確認することができますので、興味のある方はそちらもチェックしてみても良いかもしれません。