個性が際立つワイン産地で有名なアルザス地方のワインをご紹介したいと思います。他のフランスワインとは少し違い、独自のワイン文化が育まれているアルザス。その特異性と様々な味わいの興味深いワインを解りやすく解説します!
アルザス地方の独特の文化
フランス北東部のアルザスでは独特の文化が培われています。ヨーロッパならではの陸続き文化を象徴するような場所ですが、いったいどのような文化が育まれているのでしょう?
アルザスってどこにある?
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アルザスはフランスの北東部、ドイツとの国境のあたりにある地域です。アルザスはかつては神聖ローマ帝国の領地であり、17世紀から19世紀にかけて何度もフランスとドイツを行き来してきた。もともとアルザスの名前もドイツ語のEll-sassから取られているもので、ドイツとフランスの間で長く翻弄された地域です。
ドイツの影響大!アルザスの歴史
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古くから鉄鉱石や石炭を豊富に産出し、工業が盛んに行われていたことや、交通の要衝だったこともあって、長くドイツとフランスの間で領土の獲得競争が繰り広げられてきました。一方でアルザス人は明らかな異文化であるフランスとは同化せず、ドイツにあっては一等国民として扱わなかったために独自の文化を育んでいます。
ほぼドイツ!?のような文化がたくさん!
アルザス地方は古来のドイツ文化的要素が濃厚に残している特徴があります。家屋の形はドイツと同様、木骨造のとてもかわいらしいものが多く見られます。
また食文化においても、シュークルト(ザウアークラウト)と呼ばれるキャベツの発酵酢漬けに、ソーセージなどを合わせたものが有名です。
アルザスのワインの特徴
様々な文化からもわかる通り、アルザスでは独自の文化が花開いています。それはワインの世界でも同じこと。アルザスには他にはない唯一無二の魅力的なワインが存在します。
白ワインが中心です。
アルザスがあるのはドイツとの国境のあたり。かなり北の方なので、日照量に限りがあります。十分な日光が必要である濃厚な赤ワインは作ることが出来ません。その代わりに繊細で芳醇な香りの白ワインが多く作られています。アルザスの白ワインは味わいもかなり独自性のあるものでワイン通の中ではとても人気があります。
個性的なボトルも目を引くアルザスワイン
アルザスではボトルの形も個性的です。全体的にスマートな細長い形で、一見するとドイツワインのボトルにも似ています。しかし、ドイツでは主にブルーや茶のボトルが使われるのに対し、アルザスでは濃い緑色が使われています。これもアルザスの独自文化の現れですね。
個性派がそろうアルザスワイン
アルザスのワインは主にブドウ品種によってワインの種類が分かれています。花の蜜のような香りを持つものや、オイルなどの鉱物的なニュアンスを持つもの、そしてライチやバラの香りのする華やかな白ワインが親しまれています。また近年ではピノノワールなどのエレガントな赤ワインも素晴らしい出来のものが見られます。
アルザスワインの選び方
アルザスワインはほかの地方に比べると、数種類のブドウ品種によって分けられているので、初心者にも挑戦しやすいワインです。では実際どのようなワインがあるのでしょうか。
初心者におすすめのアルザスワイン
アルザスワインは、ブドウ品種が主にワインの名前となっています。更にそのブドウ品種でワインを造る生産者によって様々なワインが存在します。まずはブドウ品種の名前でワインを選ぶのが賢明です。ブドウ品種を覚えるといっても難しいことではなく、とても個性のあるわかりやすいものが多いのでぜひ試してみて下さい。
いろんなブドウを飲み比べてみよう!
代表的なブドウが、「リースリング」です。ほんのりオイルのような鉱物の香りがある個性的なブドウです。他には「ピノ・グリ」。こちらは華やかな果実香があるとても親しみやすい白ワインです。赤ワインでは断然「ピノ・ノワール」がおすすめ!鮮やかなルビー色で、じんわりとうまみがある様な素晴らしい味わいです。
ライチの香りの魅惑のワイン
アルザスワインを語るうえで外せないのが「ゲヴェルツトラミネール」というブドウです。強烈な個性のぶどうで、初心者でも一度飲んだらその名前を覚えてしまうほどの個性です。香りはまさにライチ!味わいには甘みがあり、上質のものになればなるほど甘みが増します。複雑で個性的な味わいは是非試して頂きたいワインです。
終わりに
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いかがでしたか?
アルザスワインはワイン初心者はもちろん、上級者にも大変人気のある隠れた銘醸地です。味わいが個性的でわかりやすく、種類もそれほど多くないので、取り掛かりやすいワインだと思います。是非試してみて下さいね!