サーフィンの初心者にとって、サーファーの言葉には独特の言い回しや風習などからくる用語が多々有り、理解するのが大変です。そこでサーフィン独自の用語を分かり易く解説します。 用語に慣れてサーファー気分を満喫しましょう。
知っておきたい日常会話
- 波乗り
- いた(板)
- レギュラー?グーフィー
波乗り/いた(板)を使いこなそう!
サーファーは(人にもよりますが)自分の事をあまりサーファーです、とは言ず、「波乗りやってます。」と言う様に、「波乗り」で表現します。またサーフボードの事はサーフボードとは言わず「いた」(板)と言います。理由は単にカッコイイ、言い方だからです。
使用例 初対面の相手に
サーファーA「俺、波乗りやってる」
サーファーB「エッ!俺も」
サーファーA「何処のいた?」
サーファーB「ラスティ(サーフボードのメーカー名)」
「何処のいた?」は「何のメーカーのサーフボード使ってるの?」の意味ですが
多くを語らなくても、この様にニュアンスで会話が成り立ちます。
足のスタンスはどっち?
サーフィンはライディング中、足が前後するので、足のスタンスが2種類に分かれます。左足が前になるスタンスをレギュラーと言い、右足が前になるスタンスをグーフィーと言います。混同を避ける為、詳細な説明は避けますが、同様に波にも崩れる方向によってレギュラーの波、グーフィーの波といった言い方をします。
レギュラースタンス
http://www.surf-reps.com/howto/adammelling/index.html
野球に例えると右打ちバッターのスタンスになります。
左足が前になります。
グーフィースタンス
http://www.jpkabegami.com/sport/12388/picture/page7.html
野球に例えると左打ちバッターのスタンスになります。
右足が前になります。
サーフショップで使う言葉
http://blog.surf-reps.com/hotnews/surfshopnews/10323.html
サーフボードやウエットスーツを揃える上で避けて通れないのがサーフショップです。
ここは道具の種類や用途などから専門用語を上げればキリがない程ありますが、要点を押さえれば後は店員さんが案内してくれます。 以下のポイントを事前にチェックしましょう。
- 吊るしの板
- インチサイズ
- フルスーツ?シーガル?
吊るし?それともオーダー?
プロサーファーの使用するサーフボードはシェイパーとサーファーとがコミュニケーションを取りながら制作されて行きます。
サーフボードは基本的にシェイパーと呼ばれる職人さんにより一本々、手作りされています。サーフィンがある程度上達すると、自ずと自分専用、オーダーの「いた」が欲しくなります。
これに対しサーフショップに展示してある既製品のサーフボードを「吊るしのいた」と呼びます。ウェットスーツも同様に「吊るしのウエットスーツ」=既製品という意味になります。何となくニュアンスで分かりますね。道具を揃える時は「吊るし」にするのかオーダーにするのか事前に決めておきましょう。
サーフボードのサイズはインチ?
サーフボードのオーダーシートです。
各部の詳細なサイズからボードのデザインなどを細かく記入します。
サーフボードを選ぶ上で長さや幅は重要な要素ですが、単位は日本で標準のセンチメートルではなく、米国式のインチになります。例えば「シックス・スリーのいたに乗ってる。」と言えば「長さ6フィート3インチのサーフボードを使っている。」といった意味になります。よく使う表現なのでセンチに換算するのではなく、感覚的にインチで長さを覚えましょう。
これだけは揃えておきたいウエットスーツ、2つのタイプ
ウエットスーツの種類は以外と豊富にあります。
またメーカーによって動きやすさ、保温性など考慮して材質も様々です。
フルスーツ
ウェットスーツは袖の長さ、裾の長さによって色々なタイプがありそれぞれ呼び名が違います。
ウエットスーツで長袖、長ズボンの繋ぎタイプの物をフルスーツと言います。フルスーツは主に、11月~5月の冬から春先にかけて、寒い時期の必需品です。シーズンを通して一番出番の多いウエットスーツなので、最初に購入する時はフルスーツからをお勧めします。
シーガル
フルスーツの次に出番が多いのがシーガルで、半袖、長ズボンの繋ぎタイプの物になります。主に5月~10月が使用シーズンです。フルスーツと比べて袖がない分、腕が圧迫されないのでパドリングが楽になります。
初心者は中上級者に比べ運動量が少ないので真夏でも体温が下がり易くシーガルを持っていると便利です。また体の保護にも役立ちます。他にも違ったタイプのウエットスーツがありますがフルスーツ・シーガルこの2タイプがあれば殆ど事足りてしまいます。
海で使う言葉
サーフィンは自然が作り出す波を相手にするスポーツなので、その時の天候やコンディションによって常に変化します。それだけに風向きや波の状況に至るまで多種、多様の専門用語があります。この章ではその中でも重要な用語をチョイスしてご紹介します。
波のタイプを見極める
- ホレた波
- トロイ波
- チョッピー
- ダンパー(クローズアウト)
スリリングなテイクオフ!ホレた波
写真の様に波の斜面が急な波の事を、「ホレた波」と言います。この様な波はチューブになり易く(波のトンネル)上級者には最高のコンディションですが、波がせり上がってから崩れる迄の時間が短く、テイクオフのタイミングが難しいので、初心者には不向きです。
初心者の練習に!トロイ波
http://blogs.yahoo.co.jp/miyuvin12/13528656.html
ホレた波とは対照的に波の斜面が傾らかで、上からダラダラと崩れていく様な波の事をトロイ波と言います。トロイ波はスピードを付けずらく、ショートボードよりも浮力のあるロングボードに向いています。
残念なコンディション!チョッピー
http://www.mauifudosan.com/windsurfing.html
風が強く波が潰されてしまい、海面の荒れた状況をチョッピーと言います。よく波情報で耳にするのが、「~方面・オンショア・チョッピーコンディション」などの語句ですがこれは「~方面は海から岸に向かって吹く風が強く海が荒れています。」という意味になります。当然サーフィンには不向きです。
四面楚歌!ダンパー
http://ameblo.jp/hiranobeach/entry-10723331728.html
サーフィンのライディングは崩れる直前の、波の先へとボードを進め行います。その為左右どちらかに規則正しく順番に崩れる波が最適ですが、一気に崩れてしまいライディングが困難な波を「ダンパー」といいます。例えば台風が日本列島に接近し大きなウネリが入った時などは、各ビーチの沖合でダンパーとなってしまい、サーフィンが困難な状況になります。この状況をクローズアウト(波が大き過ぎてダンパーになる)といいます。
他のビーチがクローズアウトしても綺麗な形の波が立つポイントが、ビックウエイブスポットと呼ばれるサーフポイントです。(稲村ヶ崎、マリブ(勝浦)など)
技の名前を覚えよう!
サーフィンのテクニックは時代と共に進化を続け、現在ではスケートボードやスノーボー系の技も主流となっています。
- ボトムターン
- トップターン
- アップ&ダウン
- カットバック
- チューブライディング
ターンの基本!ボトムターン
ボトムターンはその名の通り波の斜面の下で行うターンで、次の動作に移行するための重要なターンです。一見地味なテクニックですが、ボードコントロールの基本となります。トップサーファーと呼ばれるサーファーはこのボトムターン一つとってもドライブの効いた目を見張る動きを見せます。
ライディングの見せ場、トップターン
波の上の方で行うターンをトップターンと言います。トップターンのバリエーションは実に豊富で、ターンを行う状況やアプローチの仕方で細かく技の名称が分かれています。サーフィンの花形とも言うべきテクニックです。近代サーフィンでは波から飛び出すエアー系の派手なテクニックが流行っていますが、これもトップターンの延長になります。
http://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/60271
サーフィンのコンテストではターンの時、いかに多くの水しぶき(スプレー)を派手に飛ばすのか、といった事も採点の対象となります。
ライディング=アップ&ダウン
先に上げたトップターンとボトムターンを繰り返して波の斜面を上下に動く事をアップス・アンド・ダウンとかアップスダウンと言う言い方をします。波の斜面を上がったり、降りたりしてボードを加速させるテクニックです。サーフィンのライディングとはこの上下の動きで波の斜面を横に移動する事なのです。
行き過ぎたら戻ろう!カットバック
サーフィンでライディングを続けていると、次第に波の力のない緩やかな斜面になって来ます。そのままライディングを続けると失速してしまうので、波の力のあるパワーゾーンへと戻る必要があります。この戻る為のターンをカットバックと呼びます。ベーシックなテクニックですが進行方向から逆へ切り返すターンなのでターンの要素が全て含まれる重要なテクニックになります。
至福の時!チューブ・ライディング
サーフィンに興味のない人でも一度は目にしていると思います。波のトンネルをくぐり抜けるシーン、サーフィンの代名詞とも呼ばれるテクニックがチューブライディングです。一見簡単そうに見えますが、崩れる波の直前にポジションをとるボードコントロールとチューブになる波を見極める判断力、そして勇気を必要とされる高度なテクニックです。一度決まれば日常では消して味わうことの出来ない、異次元の空間を体感出来ます。
まとめ
東京オリンピックの開催国枠種目にも上がっているサーフィンですが、独特のカルチャーやイメージなど馴染みの薄い方も多いと思います。そこで今回は独特の言い回しや、よく使われる用語などかいつまんで解説しました。この機会に少しでもサーフィンに興味を持って貰えれば嬉しいです。