ワインっていろいろな名前がありますよね。初心者にはまずその名前を覚えるのが一苦労…、ですが、実はワインの名前のつけ方にはある規則があるのです。その規則を紐解くとともに、ユーモアのある面白いワインの名前もご紹介します。ワインの名前を覚えるのも苦ではなくなるかも?
ワインの名前に深くかかわるワイン法
ワインの名前を付けるときに、実は法律の存在が欠かせません。ここではワインの名前と法律がどのように関係しているのかご紹介いたします。
ワイン法って何?
http://cevv.blog.jp/archives/768847.html
ワイン法とは各国で決められている法律のことです。
ワイン法で決められたワイン名を名乗るためには、産地、ブドウ品種、収穫時期、醸造方法などが厳密に定められているのです。
ワインの歴史が深く長いヨーロッパ諸国では、一般的にワイン法は大変厳しいもので、かなり細かな規定があります。一方アメリカなどをはじめとするワイン新興国では法律は比較的緩いのもになっています。
ワイン法で名前が決まるわけ
各国のワイン法で決められた名前を付けるには、前述の通り厳密な規定がありますが、その名前を付けることによって強い「ネームバリュー」を得ることが出来ます。ワイン法の名前を使っていないワインは何の後ろ盾も持たないワインで、ワイン法で決められた名前を持つワインは、絶大な推薦を持つワイン、というわけなのです。
世界のワイン法にはどんなものがあるのか?
http://www.french-wine-jiten.com/bourgogne/aoc.htm
ヨーロッパで有名なのがフランスのAOC(AOP)で原産地統制呼称といいます。最も品質が高いワインと位置付けられ、このAOCを取得するためには細かな規定があります。一方イタリアではDOCG、統制保証付原産地呼称ワインがあります。イタリアワインの格付けの中で一番厳正な規定が設けられています。
ほかにもドイツのQmP(生産地限定格付け上質ワイン)があります。一方アメリカではワイン法はありますが、こういった原産地の細かな規定はなく、産地の区分けやブドウ品種の表示のみにとどまっています。
ワインの名前はこうして決まります!
http://knowhisname.com/the-son/yahushua/
ではワインの名前は具体的にどのように決まるのか見ていきましょう。
ワイン法で決められた名前を付ける!(産地名)
先にお話しした通り、ワイン法で決められた名前を付けるということです。これはヨーロッパに多く、産地名であることが多いです。またイタリアなどでは産地名+ブドウ品種であったりすることもあります。一般的に産地の規模が地方名→地区名→村名→畑名と小さくなればなるほどワインの価値も上がっていきます。
ブドウの名前を付ける!
特にアメリカなどのヨーロッパ以外の国では、「○○カベルネ・ソーヴィニョン」「○○シャルドネ」といったように、原料となっているぶどう品種を名前につけていることがよくあります。パターンはいろいろで、単にブドウ品種だけのものや、前や後ろにワイナリーの名前を入れたりすることも多く見受けられます。
愛称を付ける!
イタリアやドイツなどでは、歴史上の物語やワインの逸話などを名前の由来にしたものがかなりあります。命名の背景などを調べるのも面白いのでぜひご紹介したいと思います。また、ワイン新興国ではより自由な名前を付けることも多く、娘の名前を使ったり、奥さんの名前であったり、面白い名前のワインが多くあります。
面白い名前のワイン
実際に面白い名前のワインをご紹介します。今回はただ面白い名前のワインでなく、背景にある物語が興味深く、内容のある物を選びました。ぜひワインを語る時があれば使ってくださいね。
ラ・クリマクリスティ/イタリア・普段向け・赤白ワイン
キリストの涙という意味のワインです。
悪行あふれるナポリの街を見て、キリストは悲しさのあまり涙し、その涙が落ちたところに葡萄が生え、素晴らしいワインができたのでこう命名されたそうです。
ヨーロッパではワインは神聖なものという位置づけなので、このように神話と連動させたお話も多いのでしょうね。
コルトン・シャルルマーニュ/フランス・高級・白ワイン
フランク王国のシャルルマーニュ(カール)大帝の名を冠すワインです。大帝は赤ワインが大好きで、コルトンの地にあった皇帝のぶどう畑では、赤ワインを造らせていました。しかし赤ワインを飲むと皇帝の髭が赤く染まり滑稽なので白ワインを飲むように勧めたそうです。現在では高級白ワインの銘醸地として有名です。
ツェラー・シュヴァルツ・カッツ/ドイツ・やや甘口・白ワイン
ツェラーシュヴァルツカッツ、なんともわかりにくい名前ですがツェル村の黒猫畑のワインという意味があります。実はこのワインも産地名がワインの名前となっているのですが、黒猫畑とはおかしな名前ですよね。実はドイツでは黒猫は幸せの印とか、黒猫が飛び乗った樽のワインはおいしいとか言われているから、なのです。
終わりに
http://yukina-kagurazaka.jp/2015/11/04/39/
いかがでしたか?
ワインの名前は初心者には本当に難しく、ラベルを見てもさっぱり??の方も多いと思います。しかし、ほんの少し書いてあることに注目すると、そのワインの中身が見えてきたりするので、ぜひワインのラベルと向き合い、読み解く努力をしてみて下さいね。