最近、「クラフトビール」って言葉をよく耳にしませんか?今、手工芸品のように醸造家がこだわって造るビールが大ブームなんです!でも、なんだかたくさん種類があり過ぎてよくわからない…。そんな方に代表的なビールの種類(スタイル)をご紹介します!
ビールは2種類に大別できる
一口に「ビール」と言っても、金色のもの、黒いもの、フルーツが入ったもの…などなどたくさんの種類があることは皆さん、ご存じだと思います。
2年に一度、ビールの世界一を決める「ワールドビアカップ」というコンテストでは、100近いビアカテゴリーでそれぞれ金銀銅賞が競われるほどです。
しかし、
実はワインが赤と白で分けられるように、ビールも「エール」と「ラガー」に大別することでわかりやすく理解することができます
(例外もありますが、それは後述するとします)。
使われる酵母の違いがそれぞれの特徴を生む
私たちが普段「ビール」と言ってすぐに思い浮かべる、金色で苦みがあって、アルコール度数5%くらいのビールは、「ラガー」の「ピルスナー」という一つのスタイルです。
では、「ラガー」と「エール」の違いは何か。それは、使用される酵母にあります。
ビールは大麦からつくる甘―い麦汁に酵母(いわば微生物)を入れて発酵させる醸造酒です。
その酵母には、上面発酵酵母(エール)と下面発酵酵母(ラガー)の2種類があり、
その違いによって種類をわけることができます。
「エール=香り豊か、コクがある」「ラガー=すっきり」と覚えておけば大丈夫。
では、エールとラガーの代表的なスタイルを紹介しましょう。
エールの代表的なビアスタイル
ペールエール
まずエール代表するビールといえば、「ペールエール」。イギリス発祥のこのスタイルは、ホップによる苦みと香りが大きな特徴です。最近では、ホップを大量に投入した「インディアペールエール」というスタイルも人気を集めています。
スタウト
一般に「黒ビール」と一括りにされてしまう「スタウト」というスタイルもエールビールです。これはローストした大麦を使用しているので、香ばしい味わいが魅力と言えます。
苦いのが苦手な人におすすめなスタイル
苦いのが苦手な人におすすめなのが、「ヴァイツェン」や「ベルジャンホワイト」といった小麦を使用したスタイル。軽快な飲み口が一杯目にも向いています。
アルコール度数が高いビールが好きな人におすすめのスタイル
締めに向くほどアルコール度数が高いのが「バーレイワイン」。ワインという名前を冠していますが、つまり「バーレイ(大麦)を使ったワイン並みに度数の高いビール」ということです。
ラガーの代表的なビアスタイル
ピルスナー
ラガーを代表するビールは「ピルスナー」で異論はないでしょう。ピルスナーはチェコ発祥の「ボヘミアンピルスナー」、ドイツの「ジャーマンピルスナー」、アメリカの「アメリカンラガー」など細かく枝分かれしているので、飲み比べてみるのもおすすめです。
シュバルツ
ラガーの中にもいわゆる黒ビールがあります。それは、ドイツ発祥の「シュバルツ」。エールの仲間の「スタウト」よりもすっきりした飲み口が特徴で、ゴクゴク飲めるビールです。
ボック
度数が低いスタイルが多いラガーの中にも、10%を超えるようなものが。ドイツ生まれの「ボック」というスタイルは、ラガーでありながらチビチビいけるミディアム~フルボディのしっかりした飲みごたえがあります。
まとめ
冒頭でビールには「エール」と「ラガー」以外もあると言いました。ベルギーの「ランビック」というスタイルはまさに例外。普通、酵母は純粋培養したものを使用するのですが、「ランビック」はなんと空中に浮遊している微生物に発酵を任せるのです。乳酸菌なども混入するため、大きな特徴は酸っぱいこと。この「ランビック」を飲めば、あなたのビール観はがらりと変わるに違いありません。
今回挙げたのは、本当に代表的なスタイルのみです。いま、全国各地にビアバーが誕生し、多彩なビアスタイルが飲めるようになってきています。今宵、奥深きビールの世界で酔いしれませんか?